歯周病が引き起こす意外な病気とは？全身の健康に及ぼす影響

こんにちは。姫路市飾磨区阿成鹿古の歯医者「おかもと総合デンタルオフィス」です。

歯周病は、歯ぐきの炎症や歯の喪失を引き起こすお口の病気という印象が強いかもしれません。

しかし、実は全身の健康にも大きな影響を与えることが知られています。近年の研究では、歯周病と糖尿病、心疾患、さらには認知症との関連性が報告されています。歯周病は、口腔内だけでなく身体全体に様々なリスクをもたらす可能性があるのです。

この記事では、歯周病とはどのような病気なのか、どのような病気を引き起こす可能性があるのか、予防にはどのような対策が必要なのかをわかりやすく解説します。

歯周病とは

歯周病は、細菌感染によって歯を支える歯周組織に慢性的な炎症が起こる病気です。歯と歯茎の境目にある溝に歯垢がたまり、歯周病菌が繁殖することで、歯肉の炎症や歯周ポケットが形成されて歯周病が進行していきます。

初期段階では、歯ぐきが赤く腫れたり、歯磨き時に出血したりする程度ですが、この段階で適切な対処をしないと炎症が慢性化してしまいます。歯ぐきの腫れや出血に加え、歯を支える歯槽骨が破壊され、歯のぐらつきや噛み合わせの変化といった症状もみられるようになるでしょう。

さらに進行すると、最終的には歯の喪失に至る可能性もあります。そのため、定期的な歯科検診と早期治療、そして日々の適切な口腔ケアが欠かせないのです。

歯周病を放置するリスク

歯周病を放置していると、少しずつ症状が進行していきます。歯を支える骨が徐々に吸収され、歯がグラつき、最終的には抜け落ちる可能性もあります。加えて、炎症性物質が血流に乗って全身に運ばれ、全身の健康問題を引き起こすと考えられています。

また、歯周病によって歯茎から膿や血が出るようになると、口臭が悪化していきます。コミュニケーションに支障をきたす可能性もあるため、放置せず治療する必要があるでしょう。

歯周病が引き起こす意外な病気とは

歯周病は単なる口腔内の問題にとどまらず、全身の病気と深く関わっています。ここでは、歯周病が引き起こす病気をご紹介していきます。

糖尿病

歯周病と糖尿病は、相互に影響を与える関係にあります。歯周病が進行すると、炎症が全身に波及し、インスリンの働きを妨げて血糖コントロールが悪化します。糖尿病が進行して血糖値が高い状態が続くと免疫力が低下し、歯周病が悪化しやすくなります。

歯周病と糖尿病は互いに悪影響を及ぼすため、どちらか一方が改善されればもう一方も改善されていくこともあります。両方の病気を意識して、治療を進めることが大切といえるでしょう。

心筋梗塞

歯周病菌が血管内に入り込み、血管を細くしたり詰まらせたりすることで、心筋梗塞を引き起こす可能性があります。細菌が血管内に入ると動脈硬化を引き起こしやすくなり、血管が狭くなると血流が悪化して心筋梗塞につながる恐れがあるのです。

脳梗塞

歯周病菌は血液を介して全身に巡るため、脳血管障害のリスクを高めると言われています。

歯周病菌が血管の内壁に付着すると、プラークと呼ばれる細菌の塊が作られます。この中に含まれている細菌によって血管が刺激されて血液がドロドロした状態になると、血流が妨げられて血栓ができることがあります。これが、脳梗塞や脳卒中などにつながる可能性があるのです。

脳梗塞や脳卒中は、後遺症として麻痺や感覚障害、脳機能障害などが挙げられる病気です。発症後の生活に大きな影響を与えるため、予防することが非常に重要といえるでしょう。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、食べ物や唾液、胃の内容物が誤って気管や肺に入り込むことで発生する肺炎です。高齢者など、嚥下機能が低下した方に起こりやすい病気で、歯周病菌が増殖している状態では誤嚥性肺炎のリスクも高まります。

骨粗しょう症

骨粗しょう症は、骨の密度や質が低下し、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症にかかっている人は、歯周病になりやすいだけでなく重症化しやすいことが分かっています。

どちらも骨の密度に影響を与える疾患で、相互に悪影響を及ぼしあうのです。

認知症

近年の研究では、歯周病と認知症との関連も注目されています。歯周病菌が脳に到達し、炎症を引き起こすことが認知症の発症リスクを高める可能性があるとされています。特に、アルツハイマー型認知症との関連が指摘されており、歯周病を予防することが認知症のリスクを下げることにつながると考えられています。

早産や低体重児出産

妊娠中の歯周病は、早産や低体重児出産のリスクを高めることが知られています。歯周病による炎症や感染症が、血流を通じて胎盤に影響を与えることで、子宮収縮が促されると考えられています。

妊娠中は、ホルモンバランスの変化により歯茎が敏感になるため、妊娠初期からの口腔ケアが重要です。出産前に歯科治療を受けることで、母子ともに健康な状態を維持できるでしょう。

妊娠中は体調が変化しやすかったり、お腹が大きくなってきたりすることで、歯科治療を受けるのが難しいかもしれません。可能であれば、妊娠前から口内の状態を健康に保っておくのが理想です。

歯周病を予防するためには

歯周病は静かに進行する病気であるため、症状が出たときにはすでに重症化している方も少なくありません。こうした事態を防ぐために、日常生活のなかで予防に取り組むことが大切です。

歯科医院での定期検診とあわせて、セルフケアを徹底することで、歯周病の発症や悪化を効果的に防げるでしょう。ここでは、歯周病を予防するための方法をご紹介します。

毎日の丁寧なブラッシング

歯周病予防の基本は、歯垢を確実に除去することです。そのためには、正しいブラッシングを習慣づけることが欠かせません。

1日2回以上、最低でも3分程度かけて丁寧に磨きましょう。歯と歯茎の境目を意識して、歯ブラシの毛先を45度の角度に当てて小刻みに動かすことで、歯垢を効率的に除去できます。

力を入れすぎると歯茎を傷つけることがあるため、やわらかめの歯ブラシを使ってやさしく磨いてください。力加減は、歯にあたった歯ブラシの毛先が曲がらない程度が目安です。

定期的な歯科検診とクリーニング

毎日のブラッシングだけでは、取り切れない歯石やプラークがあります。特に、歯石は硬くなってしまうとブラッシングでは落とせないため、歯科医院で専用の器具を使って取り除く必要があります。

定期的に歯科医院で検診を受け、プロの手によるクリーニングを受けることで、歯周病を効果的に予防できるようになります。ブラッシング指導も受けられるので、日々の口腔ケアの質も高められるでしょう。

禁煙

喫煙は歯周病の最大のリスクファクターのひとつです。タバコに含まれる有害物質が歯茎の血流を悪化させて、免疫機能の低下を招くためです。

禁煙すれば、歯周病の進行を防げるだけでなく、治療効果も得られやすくなります。歯の健康維持のためには、禁煙するのが理想といえます。

ストレスと生活習慣の見直し

歯周病を引き起こすリスクの一つに、ストレスがあります。過度なストレスが歯周病を引き起こすリスクを高めることがわかっているのです。

ストレスを溜め込むと、免疫力が低下するためです。また、ストレスが原因で食いしばりや歯ぎしりが起こることもあるでしょう。歯ぎしりや食いしばりでは歯周組織に過度な負担がかかるため、炎症が起こりやすくなります。

ストレスを溜め込まないためには、適度に運動をしたり、十分な睡眠を取ったり、栄養バランスの取れた食事を心がけたりすることが大切です。

まとめ

歯周病は、歯を失う原因となるだけでなく、全身の病気にも影響を及ぼす重大な疾患です。糖尿病や心筋梗塞、脳卒中、認知症、さらには妊娠への影響など、多くの健康リスクと関連していることがわかっています。

そのため、歯周病の予防と早期治療は、口腔内の健康を守るだけでなく、全身の健康維持にもつながります。毎日の丁寧な歯磨きと歯科医院での定期的なチェックを欠かさないことが、歯周病を防ぐために効果的でしょう。

歯周病を放置せず自分の健康を守るためにも、日常からの予防意識を高めていってください。

歯周病の治療を検討されている方は、姫路市飾磨区阿成鹿古の歯医者「おかもと総合デンタルオフィス」にお気軽にご相談ください。

当院では虫歯や歯周病の治療から、セラミック治療・予防歯科・インプラント・矯正まで幅広く対応し、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療プランをご提案しております。

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