子どもの受け口が気になる！放っておくリスクと治療法を解説！

こんにちは。姫路市飾磨区阿成鹿古の歯医者「おかもと総合デンタルオフィス」です。

子どもの歯並びや噛み合わせに関する悩みは、保護者の方としてとても気になるポイントの一つです。

なかでも、受け口と呼ばれる状態は、放置すると将来的にさまざまな問題を引き起こす可能性があるため、早期の対応が重要です。受け口は単に見た目の問題にとどまらず、発音、食事、さらには心の健康にも影響を与えることがあります。

今回は、子どもが受け口になる原因や放置するリスク、治療法、予防策までをわかりやすく解説します。お子さまの歯並びが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

受け口とは

受け口とは、専門的には反対咬合（はんたいこうごう）と呼ばれ、上下の歯を噛み合わせたときに下の歯が上の歯より前に出ている状態を指します。正常な噛み合わせでは、上の前歯が下の前歯の前に位置しますが、受け口ではその逆になります。

この状態が続くと、噛み合わせのバランスが崩れ、咀嚼機能や発音、さらには顎関節にも負担がかかることがあります。

受け口には、骨格的な問題からくるものと、歯の位置によるものの2種類があります。骨格的な受け口は、下顎が過度に成長することが原因であり、成長とともに悪化するケースが多いです。

一方で、歯の位置がずれているだけの場合は、早期に対応することで改善が見込めます。

子どもが受け口になるのはどうして？

それでは、なぜ子どもが受け口になってしまうのでしょうか。ここでは主な原因を3つの観点から解説します。

遺伝的な要因

受け口の原因のひとつとして挙げられるのが遺伝です。両親が受け口の場合、その骨格や顎の形が遺伝し、同じような歯並びになる可能性があります。特に、下顎が前に出やすい骨格的特徴を持つ家系では、子どもにもその傾向が現れやすくなります。

遺伝による受け口は、成長とともに下顎の突出が進行することがあるため、注意が必要です。早い段階で歯科医師の診断を受け、経過を観察することが大切です。

顎や歯の成長バランスの不調和

子どもの顎は成長途中であり、その成長バランスが崩れることによって受け口が発生することがあります。たとえば、上顎の成長が遅かったり、下顎の成長が早すぎたりすると、相対的に下の歯が前に出るようになります。

このようなバランスの不調和は、外見だけでなく、食べ物の噛み方や話し方にも影響を及ぼします。

特に、乳歯から永久歯への生え変わりの時期は注意が必要です。歯が正しい位置に生えなかったり、歯と顎のサイズが合わなかったりすることで、受け口が目立つようになることがあります。成長期は変化が大きいため、定期的なチェックが必要です。

癖や習慣

子どもが無意識のうちに行なっている癖や習慣も、受け口の原因になることがあります。

たとえば、舌で前歯を押す癖、頬杖をつく癖、指しゃぶりなどは、歯の位置や顎の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。とくに舌の動きや力のかかり方は、長期間にわたって継続すると歯列全体に影響を与えかねません。

また、口呼吸も受け口のリスク因子として注目されています。鼻ではなく口で呼吸することで、舌の位置が下がり、下顎が前方に成長しやすくなるのです。

これらの癖は無意識に行われることが多いため、保護者の方が日常のなかで気をつけて観察し、声がけをして改善を促すことが大切です。

子どもの受け口を放っておくリスク

子どもの受け口は、放っておくとどのような影響を及ぼすのでしょうか。ここでは代表的なリスクを解説します。

発音や滑舌に影響を及ぼす

受け口の状態が続くと、正しく発音することが難しくなり、滑舌の悪さにつながることがあります。特に、さ行やた行の発音が不明瞭になりやすく、本人が話すことに自信を持てなくなるケースも見られます。

言葉のやりとりがうまくいかないことで、コミュニケーションに支障が出ることもあるでしょう。

発音の問題は、成長とともに改善されることもありますが、受け口による骨格のズレや舌の動きの制限が原因の場合は治療が必要です。言語の発達が盛んな幼少期には、なるべく早めの対応が求められます。

噛み合わせのバランスが悪化する

受け口のまま成長すると、噛み合わせのバランスが崩れ、食事に支障をきたすようになります。上下の歯がうまく噛み合わないことで、食べ物をしっかり噛めず、消化にも悪影響を及ぼす可能性があります。

また、偏った噛み方が習慣化すると、顎関節に過剰な負担がかかり、将来的には顎関節症を引き起こすリスクも高まります。

噛み合わせは全身の健康にも関わる重要な要素です。受け口を放置することは、単なる歯並びの問題では済まされないことを理解しておく必要があります。

見た目へのコンプレックスにつながる

成長するにつれて、受け口による見た目を本人が気にするようになり、心理的なコンプレックスにつながることがあります。特に思春期には、自分の顔つきや他人との違いに敏感になりがちです。

口元が出ているように見える、笑顔が不自然に感じるなど、外見に対する悩みが深まるケースも珍しくありません。外見に対するコンプレックスは、自己肯定感の低下や対人関係のストレスにもつながりかねません。

早期に対応し、自然な顔立ちや歯並びを保つことは、子どもの心の健やかな成長にもつながるのです。

子どもの受け口はどうやって治療する？

子どもの受け口は、成長段階に応じて適切な治療を受けることで改善が可能です。ここでは、子どもの受け口を治療する方法を2つの時期に分けて解説します。

1期治療

1期治療とは、主に6歳から10歳頃の混合歯列期（乳歯と永久歯が混在している時期）に行われる治療です。この段階では、骨格の成長を利用して、下顎の成長を抑えたり、上顎の成長を促したりすることで、顎のバランスを整えることを目的とした治療が行われます。

使用される装置には、上顎前方牽引装置や機能的矯正装置などがあり、お子さんの症状に合わせて選ばれます。

1期治療は、永久歯が生えそろってから本格的な矯正（2期治療）を行う前の土台作りともいえる重要な治療です。この段階で治療を始めることで、将来的な治療期間の短縮や外科的処置の回避にもつながる可能性があります。

また、悪習癖の改善や生活習慣の見直しもこの時期に行われることが多く、保護者の方の協力も治療の成功には欠かせません。

2期治療

2期治療は、永久歯がほぼ生えそろう12歳以降を目安に開始される本格的な矯正治療です。この段階では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯の位置を整えていきます。

1期治療で骨格的な問題をある程度コントロールしておくと、2期治療の負担が軽減される場合もあります。

しかし、1期治療を行わずに受け口が進行した場合は、歯を動かすだけでは改善が難しいこともあり、外科手術が必要になるケースもあります。特に骨格的な受け口が重度な場合は、顎の骨を切って位置を調整する外科的な治療が必要になります。

子どもが受け口になるのを予防する方法

ここでは、子どもが受け口になるのを予防する方法をいくつかご紹介します。

悪習癖を改善する

子どもの口周りの癖は、歯並びや顎の成長に大きな影響を与えることがあります。たとえば、舌を前に出す癖、頬杖をつく癖、指しゃぶりなどが受け口の原因となることがあります。これらの癖は、幼少期から意識的に改善することが大切です。

保護者の方は、お子さんの様子をよく観察し、改善がみられない場合には必要に応じて専門家に相談することが推奨されます。悪習癖を早期に改善することで、受け口になるのを予防することができます。

口呼吸を改善する

受け口になるのを防ぐためには、口呼吸を改善することも非常に重要です。本来、呼吸は鼻を通して行うのが自然ですが、口呼吸が習慣化すると、舌の位置が下がり、下顎が前方に押し出されやすくなります。これが繰り返されることで、受け口になるリスクが高まるのです。

さらに、口呼吸が習慣になっていると口の中が乾燥しやすく、虫歯や歯周病になるリスクも高まります。また、舌の筋力が低下して発音や嚥下（飲み込む動作）に影響が出る可能性もあります。

こうした悪影響を避けるためには、子どもの呼吸の様子を日常的に観察し、口が常に開いていないか、睡眠中に口呼吸をしていないかをチェックすることが大切です。

改善方法としては、鼻づまりの原因を解消する、口を閉じる習慣をつける、MFT（口腔筋機能療法）を受けるなどがあります。

定期的に歯科検診を受ける

受け口をはじめとした歯並びの異常を早期に発見するためには、定期的に歯科検診を受けることが非常に有効です。歯科医師によるチェックを受けることで、顎や歯の発育状況を正確に把握することができ、必要に応じて早期に治療を開始できます。

特に、成長期の子どもは顎の変化が大きく、そのタイミングを見逃さずに対応することが重要です。歯科検診では、噛み合わせだけでなく、口腔習癖や姿勢、呼吸状態なども含めた総合的なアドバイスが受けられます。

まとめ

子どもの受け口は、見た目の問題だけではなく、発音や咀嚼、心理的な面にも大きな影響を及ぼします。原因は遺伝から生活習慣までさまざまであり、放置すると将来的に複雑な治療が必要になることもあります。そのため、早期の発見と対応が非常に重要です。

予防のためには、口周りの癖を改善すること、定期的に歯科検診を受けることが大切です。日々の小さな気づきと早めの対応が、子どもの未来を大きく左右します。

小児矯正を検討されている方は、姫路市飾磨区阿成鹿古の歯医者「おかもと総合デンタルオフィス」にお気軽にご相談ください。

当院では虫歯や歯周病の治療から、セラミック治療・予防歯科・インプラント・矯正まで幅広く対応し、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療プランをご提案しております。

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